戦後80年特別企画 歌を通じて平和について考える
- harunakawakami
- 5月27日
- 読了時間: 5分
更新日:7月25日
FMうるま「OKINAWA FUTURE INNOVATION」 2025年5月27日(火)の放送は「戦後80年特別企画 歌を通じて平和について考える」について、三線奏者/医学部卒の平和の唄者(うたさー) 桑江 優稀乃さんをお招きしてディスカッションしました。

テーマ:バックグラウンドについて
MC久高「お聞きしたいことがたくさんあるのですが、三線奏者と医学部出身が重なっているのを見たことがなくて、どういうことですか?!」
優稀乃さん「軽く自己紹介させていただきますと、私は沖縄県の那覇市で生まれ育ち、大学から愛知県の名古屋市立大学医学部に入学しました。無事卒業し、医師国家試験にも合格できました。」
MC久高「医師免許も持たれているんですね。小さい頃からの夢がお医者さん?」
優稀乃さん「いえ、中学2年生くらいの時にテレビでストリートチルドレンを見て、とても衝撃を受けたのがきっかけです。それと、かっこいい先輩がお医者さんを目指していたので、その背中を追いかけようと。医師として卒業したのですが、やはり医療以外の道も色々見てみたいという思いと、大学で愛知に出たことで、沖縄が他の内地とこんなにも違うのだという県外との沖縄の違いに気づき、もっと沖縄を深く知りたいと思うようになりました。すぐに医療の道に進むのではなく、色々な経験を積んでからでも、やはり医療も軸の一つだと考えています!」
MC久高「世界中を回りながら曲も書かれるようになったのですか?元々曲は書かれていましたか?」
優稀乃さん「いいえ、実はほとんどありませんでした。ただ、ジョン・レノンさんの「イマジン」が歌うように、天国も地獄も国境もない世界はなんて素晴らしいんだろうとずっと思っていました。私自身、祖父母が沖縄戦の体験者で、曽祖父は十・十空襲で、曽祖父の弟は対馬丸で亡くなっているという背景もあり、戦争や平和については特に考える機会が増えました。」
MC久高「医師以外の道へ進むと決めたときの家族の反応はどんな感じでしたか?」
優稀乃さん「そうですね。母には特に心配されましたし、混乱していました。葛藤もありながら、医師ではなくて沖縄の色々なものを見ていきたいと思って、ふらっと旅をするようになりました。未だに親は心配しています。(笑)」
MC久高「でもどっちにしても親は一生心配するから!でも最初にお医者さんを目指したきっかけもストリートチルドレンを見たことでしょ?」
優稀乃さん「中学2年生の時にテレビでアジアやアフリカとかのストリートチルドレンを見て雷がズドーンと落ちた感覚がありました。その衝撃で何か助けられる人になりたいと思ったことがきっかけです。」
MC久高「やっぱり歌も人を癒すじゃない?だから技術で癒やすのか、心なのか体なのか、どっちも重要じゃない?」
優稀乃さん「医学部時代にすごく寛容な先生とかは、病室で三線を弾いていいよと言ってくださり、実際に寝たきりの患者さんの病室を回って三線を弾いていました。その中で普段ずっと寝たきりの方が、三線を聞いて体を揺らしたりすることができて嬉しいというお言葉をいただくこともあったんです。『音楽の可能性』というものを医学部時代にいっぱい感じさせてもらいました!」
テーマ:手作りの楽器「ライアー」と、今後について

MC久高「今日は三線とは違う珍しい楽器をお持ちいただきました!」
優稀乃さん「これは『ライアー』という楽器で、自分で木を掘って作りました。これは山桜の木です。スタジオジブリの映画『千と千尋の神隠し』で流れる音楽にも使われているそうです。」
MC松野「素敵!なんかすごい心が癒やされる!」
MC久高「しかも楽器に彫られているものも素敵なの!」
優稀乃さん「これはイマジネーションのままに彫りました(笑)葉っぱやヒトデとかジュゴンとかがあります。自分で彫ったものなのですごく愛着があって本当に子どものような存在です。『宇宙の音』と書いて『うおちゃん』と名付けました。三線を弾く時は沖縄の歴史や文化の重みを背負う感覚がありますが、ライアーはもっと自由に、ただ歌う楽しさを教えてくれました。」
MC久高「今後の活動で、こんなことをしてみたい!という夢はありますか?」
優稀乃さん「いっぱいありますね。一つは『海外』と『平和』をテーマに『平和の音楽祭』を開催したいです。ニュースでは国同士が争っていても、現場レベルでは人と人が繋がれるはずです。アジアの国々の人たちが一緒に音楽を奏でられたら、国境が溶けていくのではないかと。また、音楽だけでなく、各国の若者が対話する『ピースカンファレンス』のような場も作りたいです!歴史って誰も居なくなってしまった時に途絶えるのではなくて、引き継いでいくものだと思います。過去の痛みを共有し、今を生きる私たちができることを話し合うのは非常に重要であるし、それを色々な国の人たちと共有することに意味があると思っています。」
インタビュアー小川「素敵なお話と音楽に聞き入ってしまいました!お話の中で、病室で歌って音楽を奏でていたというお話がありましたが、患者さんにとってもまた患者さんを支えるご家族にとってもすごく幸せな時間になっていたと思います。」
優稀乃さん「私自身も、音楽のパワーをすごく感じることができました!」
インタビュアー小川「声とか音楽とかって本当にスーッと脳に入ってきて、なかなか意識はなかったりとか、難しいことを考えることができなくてもパワーは患者さんにも伝わるって言いますもんね。優稀乃さんのお話は、行動することの大切さを教えてくれますね。その姿を見て、自分も何かできるのではないかと勇気づけられる人がたくさんいると思います。本日は貴重なお話を本当にありがとうございました。」
毎週火曜日18時から19時、
MRT presents OKINAWA FUTURE INNOVATION、次回もお楽しみに!

インタビュアー小川 智也について
MRT株式会社の代表取締役兼、現役医師。
国立病院機構大阪医療センター救命救急センターなどの経験を経て2011年にMRT入社。
MRTは医療人材プラットフォームを展開し、単発非常勤医師紹介では日本最大級のシェアを誇る。
国内初の遠隔診療(オンライン診療)サービスも開始。
MRTサイト:https://medrt.co.jp/
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