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OKINAWA
FUTURE
INNOVATION

地域医療を支える新しい医療人材 ― 診療看護師の役割とは?

  • harunakawakami
  • 10月7日
  • 読了時間: 5分

FMうるま「OKINAWA FUTURE INNOVATION」 2025年10 月7 日(火)の放送は「地域医療を支える新しい医療人材 ― 診療看護師の役割とは?」について、県立中部病院 診療看護師 古内 正輝さんをお招きしてディスカッションしました。

 

 

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テーマ:古内さんについて

 

MC久高「まず簡単に自己紹介をお願いできますか?」

 

古内さん「現在、県立中部病院で研修をさせていただいております、診療看護師の古内と申します。看護師歴は13年で、そのほとんどを手術室での看護経験が占めています。診療看護師の資格を2年前に取得し、現在は2年目で外科をローテーション中です。勉強中の身となります。」

 

MC久高「診療看護師ってあまり聞いたことがないのですが、普通の看護師とは何が違いますか?」

 

古内さん「基本的な看護を提供する点は一般の看護師と同じですが、『特定行為』と呼ばれる、ある程度条件が定まった医療行為の幅が広がっている点が異なります。単なるケアだけでなく、医療・治療に関して医師とディスカッションし、必要な医療を積極的に提供できる役割を担っているのが特徴です。つまり、看護師が通常できない医療行為の一部まで実施することができ、業務の幅が広がっています。」

 

MC久高「そうなんですね。看護師を目指したきっかけは何だったのでしょうか?」

 

古内さん「高校では農業系の学科に進み、そのまま農業系の分野に就職しましたが、20歳頃に何か違う分野で挑戦したいという思いから、医療系の分野(介護)に飛び込みました。その職場で看護師さんに積極的に教えてもらい、『看護師の仕事は面白い』と興味を持ったことが、看護師を目指すきっかけとなりました。」

 

MC久高「最初は農業に向かっていたんですね!実際に看護師のお仕事をされてみてどうですか?最初イメージしていたことと大きく違ったこととかありますか?」

 

古内さん「最初に抱いていたイメージは、ドラマで見るような看護師像でしたが、実際に働き始めると何もできず、日々葛藤する毎日でした。最初の就職先は東京を選びました。沖縄には同級生が多く、甘えてしまう環境になることを避けるため、『頼れる人がいない環境でしっかり成長しよう』という覚悟で県外に出ました。そのため、最初の頃は非常に厳しい環境でしたね。


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テーマ:中部病院での研修とチーム連携

 

MC久高「今は県立中部病院での研修中とのことで、どうですか?」

 

古内さん「現在研修中の県立中部病院は、県内有数の救急搬送が多く、患者数も多い、重症な患者様が集まる、イメージ通りのヘビーな環境です。ここは県外でも研修期間として有名で、研修を育てるトップクラスの病院という認識で飛び込みました。この環境で、他の病院と比べても高いレベルのスキルアップが図れていると感じています。

診療看護師は県外では育成が盛んですが、沖縄県内ではまだ知名度が低く、育成に特化した病院が少ないという現状があります。沖縄県内で診療看護師を増やしたいという思いから、県内でしっかり研修を行ってくれる病院が必要だと考え、県立中部病院に入職しました。」

 

MC久高「そうなんですね。実際に働いてみて何か新しい発見とかあったりしますか?」

 

古内さん「中部病院は多忙な病院ですが、医師をはじめ、様々な職種の方が優しく丁寧に教えてくれる『教育の文化』があります。医師だけでなく、看護師やリハビリスタッフにもその文化が根付いており、専門知識を持つ方々に教わることができるのが大きな強みではあるかなと思っています。」

 

MC久高「なかなかそういったところって聞きづらいですもんね。県立中部病院での研修はどんな診療や場面に関わっているのですか?」

 

古内さん「研修は1年目が内科系(救急、総合内科、腎臓内科)、2年目が外科系(心臓血管外科、一般消化器外科、整形外科、集中治療室など)と、ほとんどの診療科をローテーションで回っています。これは、医師の協力を得て、診療看護師を研修医と同等に扱ってくれる中部病院ならではの体制であり、全国トップクラスの技術と知識を教えてもらえる貴重な機会です。」

 

MC久高「ええすごく貴重で大切な機会ですね。こういう病院が増えていってほしいですね!」

 

 

テーマ:診療看護師のやりがいと今後の目標

 

MC久高「診療看護師をやりながら『やりがい』を感じる瞬間はどんな時ですか?」

 

古内さん「以前は手術室での経験がメインで、治療の一場面しか見ていなかったと感じています。診療看護師になってからは、入院前から退院後まで一貫して医療を提供できるようになりました。

病棟を回る中で、最初は診療看護師の知名度が低く、患者さんから『何をされる方ですか?』と聞かれることもありましたが、毎日顔を合わせるうちに徐々に信頼関係が生まれます。担当を離れても、廊下で再会した際に近況を教えてくれるなど、信頼関係が途切れることなく続いていくことに一番やりがいを感じます。

また、診療看護師がいることで『安心感がある』『心強い』と、同じ看護師から頼られることが最も嬉しいです。一部には『医師側の人』と見られることもありますが、基本は看護師であり、患者さんにベストなケアを提供するために、医師と看護師の橋渡し役を担っています。」

 

 

テーマ:今後の目標

 

MC久高「これからどういう診療看護師を目指していきたいですか?」

 

古内さん「目標の一つは、専門性を持ち、根拠に基づいた医療や看護を提供できる存在でいることです。

そして一番は、せっかく診療看護師の資格を持っているからには、入院前後の連続性を持って、医療や看護を提供できる存在になりたいと考えています。今は中部病院で医療知識を学んでいますが、将来的には地域で生活する方々を支えるため、在宅など様々な場面で活躍できる存在になりたいと思っています!」


毎週火曜日18時から19時、

MRT presents OKINAWA FUTURE INNOVATION、次回もお楽しみに!

 


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インタビュアー小川 智也について


MRT株式会社の代表取締役兼、現役医師。

国立病院機構大阪医療センター救命救急センターなどの経験を経て2011年にMRT入社。


MRTは医療人材プラットフォームを展開し、単発非常勤医師紹介では日本最大級のシェアを誇る。

国内初の遠隔診療(オンライン診療)サービスも開始。


MRTサイト:https://medrt.co.jp/


 
 
 

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